多汗症は治らない病気であるよう思われているようですが、原因さえ診断して適切な治療をすれば多くの症例は改善の方向に進みます。
全身的に完治させる事は難しいですが、局所的な解決は可能なようです。
多汗症というものは命をおびやかしたり、痛みを伴うものではありません。
他の疾病の影響や精神的なストレスなどからくるものが殆どで、どの程度の症状からを異常とするかは主観的なものに過ぎません。
それでも多汗症はQOLを低下させる原因となり、本人にとっては避ける事のできない問題ともなりえます。
手のひらに汗が出やすい人なら、人との握手が苦痛となるでしょう。また脇の下や足の裏など多汗が原因で体臭が強くなれば、それも本人には大きな問題となります。
ストレスに囲まれた現代社会では、多汗症で悩む人の数も増加傾向であるとされています。
人口の約0.5%は多汗症だとも言われています。
どの程度の状態から多汗症であるとするかは本人次第で、治療を受けていないだけで実際に汗で悩んでいる人の数はもっといると思われます。
[ 超音波法]
超音波により血管、神経、を避け汗腺のみを吸引する方法です。
わきがの治療にも用いられる方法ですが、多汗症の原因になるエクリン汗腺も除去できるため、多汗症の治療にも用いられています。
出始めは術後の血腫の形成、皮膚の壊死などの心配がないため、皮膚の生着も早いなどで注目された方法ですが、やけど、組織内水腫の合併症の報告、超音波による熱により皮膚に損傷が出るなど、通常の手術に比べると傷跡ができやすいことがわかってきました。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺のある場所の深さが異なるため医者の技量が求められる手術です。
[交換神経切断]
発汗に作用する交換神経をブロックすることで、発汗を止める手術です。
手のひらの汗を止めるときは胸腔鏡(スコープ)を使い、胸部交換神経を遮断します。
全身麻酔で脇の下を数ミリ切るだけのため手術時間は短くて済み、体への負担は少なくてすみます。
同様に足の裏の発汗を止めるときは腰椎の交換神経をブロックします。
[ボトックス治療]
ボツリヌス菌より産生されたボトックスを使用することで、筋肉を収縮させて汗腺を細くさせ、発汗を抑える方法です。
ボトックスはタンパク質の一種で、交感神経の働きを弱める作用があり、エクリン汗腺やアポクリン汗腺の活動も抑えることができます。
それで汗が出るのを抑えられるのです。約6ヶ月持続期間があるといわれていますが、個人差があります。
傷を身体につけたくない、絶対に手術はしたくない、という人が一時的に行う処置になります。
これら治療の方法は様々ですが、精神的なストレスが原因となり自律神経系の異常から多汗となっていると考えられる時は、心療内科や精神科を受診して相談してみるのが良いでしょう。
あきらかにストレスが原因になっているときは、ストレスの解消できる時間を取り、解消する方法を見つける事が大切です。